【DICOM】保存コミットメント

保存コミットメントとは、画像の維持および保存に関する責任を、モダリティなどの装置からPACSなどの画像保管装置へ移譲するサービスのこと。*1

このサービスは二つのトランザクションで構成される。

 

画像がC-STOREで保存された後、送信側は保存コミットメントを要求する全画像のリストを含む正規化コマンド(N-ACTION)を発行する。

受信側は、保存を約束するオブジェクトおよび保存できなかったオブジェクトのリストを含む N-EVENT-REPORT コマンドで応答する。

http://www.plantuml.com/plantuml/png/SoWkIImgAStDuSfFoafDBb7mpKz9pCaigOJn0noTWxbWWWgwkdPW4GKh1JzTH-SGJty_XAIDhgukGjOrpDKlH3V8DS0_A8JB8JKl1MW90000

ここに保存コミットメントの実装を困難にしている技術的な問題がある。

受信側の応答方法には以下の選択肢がある。

  • N-ACTIONと同じ接続(アソシエーション)で行う
  • 別のアソシエーションで行う

別のアソシエーションで応答する場合、SCPである受信側がアソシエーションを開くことになる。

通常、アソシエーションを開くのはSCUであるため、これは特殊な挙動である。

アソシエーションを開く受信側は「役割交代」を折衝し、「自分は実際はSCPでありSCUではない」ことを送信側へ伝える。

 

このため保存コミットメントの実装は困難であり、特にエラーが発生した場合に問題となる。

例えば、受信側が1枚だけ受信しなかったと返信した場合、送信側は再送するのか、などを考える必要がある。

 

この場合、動作を定義する適合性宣言書を比較し、それが送信側、受信側に適合しているか確認することが重要である。

参考

*1:Herman Oosterwijk(著),日本画像医療システム工業会(訳),『DICOM入門』株式会社 篠原出版新社,2008年,pp.79-82